ビジネスの課題を創造的に解決する デザインシンキング入門
ビジネスの課題を創造的に解決する デザインシンキング入門(日経BPムック)
昨日に引き続き本です。
ロジカルシンキングを超えて、最近はデザインシンキングというものが出てきました。
「佐藤ナオキさん」や「水野学さん」のように、デザインの力で
プロダクトのあり方に変化を起こしてきたクリエイターの登場から、
彼らの考え方を一般化しようという動きが起こっているのでしょうか。
と思っていたが10年前から国内でも使われている言葉らしいです。
続々と成功事例が出てきたのは2013年ごろから。
例にもパナソニックやソニー、花王など大企業が名を連ねています。
デザインシンキングの考え方は、知的資本と似ています。
簡単に言うと、
①生活者の行動や気持ちといった「人間」を考える。
②「理解」「発想」「試作」を素早く繰り返す。
③新しい発想が生まれる。
④イノベーションが生まれる。
これまでの「技術」や「市場」を起点としたアプローチではなく、
生活者たる「人間」が起点であるからこそ、
新しいイノベーションが生まれるというものです。
なぜデザインシンキングは10年前に提唱されていながら今注目されているのでしょうか。
これまでの考え方はロジカルで合理的であることが良しとされてきました。
そのため、「確実にニーズのある商品」を世に出すことが求められました。
デザインシンキングでは、現場の状況を直接掴むため、新しい発想が生まれやすいです。しかしその分、市場性が予測できなかったり、発想側と生産側で意思の統一がとれていないと、発想を商品に反映することが難しかったりします。
このような欠点から、「市場が行き詰まる」ことで真価を発揮する考え方だといえるでしょう。
そのため大企業のデザインシンキングは、トップダウンや専門部署の創設・もしくは伝道師(エバンジェリスト)の育成から始まります。
このままの商品ではダメだという危機感を立場ある人が自覚し、生産の難しさ、ニーズの不確実性を超えて推し進めるパワーが必要なのです。
そんな「市場の行き詰まり」は10年前より表面化してきたように感じます。
不況が終わっても、バブルは訪れない。ミニマリストがもはやメディアで取りざたされないぐらいに浸透して、家も車も服だって、シェアするサービスは大流行。それでもモノはいっぱいある。お金を出したくなるのは、本当に必要なものだけ。
そんな時、本当に必要なものに気づくためにデザインシンキングが必要になってきます。